ケルンからケルンへ

ぶらぶらとほっつき歩くことが趣味です。最近カメラの楽しさを知りました。

唐松岳~五竜岳への道は。

今から3年前の8月の終わりに、私は自分の一大チャレンジとして、ソロで唐松岳五竜岳の山行に挑戦しようとしていた。

前線が北日本にあり、登山指数はCであったが、イチかバチかでバスに飛び乗った。f:id:ifyouwanna:20180911152022j:plain

唐松岳は一度だけ登ったことがある。

私が小学校6年生の頃だ。山好きの母親に連れられて登ったこの山は、そろそろ思春期にさしかかろうとしていた多感な私の心に強い印象を残した。

朝霧の中、牛をみながらぐんぐんと高度を上げていくリフト。美しい八方池のむこうに連なる、雄大後立山連峰。正午を過ぎ、霧の中、疲れでだるい体を精一杯動かしていく感覚。頂上付近で出くわした、ブロッケン現象。山小屋を出て、太陽の沈む様をじっと眺めながら、確実に気温の変化を感じたこと。人生で初めて観た、天の川。挙げればきりがないほど、自然の美しさを味わい、大いに感動した1泊2日だった。

 

唐松山荘を出て、夕暮れ時にみた五竜岳だ。その雄姿に私は圧倒された。

そこから、いつか絶対に五竜岳に登ろうと決めたのだった。

 

それから11年ー。社会人になった私は、親にお金を借りなくとも、山道具を購入し、山の麓まで来れるようになっていた。

 

山歩きの時は、時として悔しい思いをするときがある。

雨が降り、風も強くなってきた。

いくら天気予報を見ても、この後は回復せず、逆に悪くなる一方だということだった。

残念だが、ここで断念することにした。自分の計画性の無さに対して当然なことだと、頭でわかっていても、やっぱり悔しかった。

自分を何とかなだめながら、帰路についた。

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その後麓のバスに乗ろうとして、下界はかっきりと夏の空が広がっているのを見て、さらに侘しい気持ちになるのだった。